こんにちわ、リョウスケです。
世界中に店舗を構えている小売業世界最大手の「ウォルマート・ストアーズ(WMT)」が2019年度第4・四半期決算(11月~1月期)を発表しましたので、考察してみたいと思います。
<プロモーションドリンク>
結論から言いますと、今回の決算は10年ぶりの好決算と言えるくらい良かったです。
以下は、今回、発表された決算データの一部を抜粋したものです。
◆2019年3Q決算概要
「売上」は、1388億ドルとなっており、前年度と比べると「1.9%」の増収となっております。また、アナリスト予想の1386億5000万ドルを上回っております。
そして、調整後の「1株利益」は、1.41ドルとなり、アナリスト予想の1.33ドルを上回りました。
そして、この日同じく発表された2020年度の既存店売上高見通し(燃料除く)は2.5%~3.0%増とし、ネット売上高の見通しは35%増としました。
続いて、今期の決算内容を「セグメント」毎に見ていきたいと思います。
「ウォルマート」では、「U.S(アメリカ国内)」と「International(アメリカ以外)」、「Sam's Club」の3つのセグメントに分かれています。
「Sam's Club」とは、米ウォルマートが1983年に設立した会員制 スーパーマーケットです。
ウォルマート創立者「サム・ウォルトン」にちなんで名づけたもので、2008年現在全米に4700万人の会員数を持ち、コストコ同様各地で店舗 展開しています(ウィキペディアより)。
まず、「U.S(アメリカ国内)」のデータを見てみます。
◆アメリカ国内の実績
アメリカ国内の売上は905億ドルとなっており、前年度と比較すると「4.6%」の増収となっています。
米既存店売上高(燃料を除く)は4.2%増加しており、アナリスト予想の2.96%増を上回っています。
これは政府機関の部分閉鎖に伴い当局がフードスタンプ(食料配給券)を早期に給付したことも後押ししたようですね。また、玩具小売大手トイザらスの米事業清算も、ウォルマートの玩具市場でのシェア拡大に寄与しています。
米既存店売上高は18四半期、4年以上にわたり増加が続いているので、いかに米国民にとってウォルマートの存在が大きいか分かりますよね。
ネット売上高は、第3・四半期と同じく43%の増加しました。これは生鮮品のピックアップ・デリバリーサービスの拡充や品揃えを充実させたことが寄与しているようです
食料品ピックアップサービスの利用可能店舗は、11~1月期末時点の2100店舗から来年1月までに3100店舗に拡大、食料品の配送サービスも、年末までに新たに約800店舗強で提供し、計1600店舗に拡充すると発表しています。
ただ、Eコマース事業への投資増などが重しとなり、粗利益率は7四半期連続で低下していますが、ウォルマートの快進撃はネット通販の売上も寄与しているので、今後も投資していくでしょうね。
ちなみに調査会社によると、ウォルマートは昨年アップルを抜き、イーベイ、アマゾン・ドット・コムに次ぐネット通販小売3位に浮上しています。今後、米ネット通販市場でのシェアは4.6%に達する公算が大きいです。
続いて、「International(アメリカ以外)」のデータを見てみます。
◆アメリカ以外の実績
「売上」は、323億ドルとなっており、前年度と比較すると、「-2.3%」の減収となっています。
そして「営業利益」は、12億ドルとなっており、前年度と比較すると、「-0.1%」の減益となっています。
最後に、「Sam's Club」のデータを見てみます。
◆Sam's Clubの実績
「売上」は、149億ドルとなっており、前年度と比較すると、「-3.7%」の減収となっています。
そして「営業利益」は、4億ドルとなっております。
今回の決算では、10年ぶりの好決算と言われるほど、素晴らしい決算となり、決算発表直後の時間外取引では5%以上上昇しました。
今回は、経営破綻し米国の全店舗を閉鎖したトイザらスの買い物客の受け皿になろうと、大規模なキャンペーンを展開し、オンラインで販売する玩具の品ぞろえを40%増やしたり、玩具製品を子供が店内で体験して遊べるイベントを数多く開催しました。
この戦略が奏功し、玩具が予想以上の売り上げを後押ししたとも語っております。
ウォルマートは今回のような経営戦略が功を奏している例が多く、企業は経営者によって全然違うものだと認識させられますね。
事実、最近のウォルマートの決算は常にアナリスト予想を上回っておりますので、素晴らしい銘柄の一つだとは思うのですが、私個人としてはウォルマートに投資することは考えておりません。
というのも、ネット通販最大手のアマゾンドットコムと競合しており、ドンパチしており、ネット通販の巨人と競合している点が、投資をためらわせています。
諸説ありますが、かの「ウォーレン・バフェット」が「ウォルマート」を売却したのは、アマゾンと競合していることによって、不確実性の高まったことが原因という意見もあるくらいですからね。
ただ、ここ最近は、アマゾンの驚異のある中、ネット通販事業も大きく成長しており、ウォルマートの売上に貢献しており、既にアップルを追い抜き、アマゾン、イーベイに次ぐ業界3位まで上昇しています。
ウォルマートはネット通販事業への参入が遅かったのですが、それでもここまで躍進できるというのは、素晴らしいと思います。
しかも、ウォルマートは連続増配年数44年を誇る配当貴族銘柄ですので、今後景気後退が懸念される中、「配当」という利益を得ることができるというのも、大きな魅力のように感じます。
ただ、今後、景気後退が懸念される中、わざわざこの銘柄に投資するメリットは少ないようにも思えますね。
▼▼クリックいただけると励みになります!よろしくお願いします。
<プロモーションドリンク>