こんにちわ、リョウスケです。
株式投資は「買う」「保有」「売る」の三つの行動で成り立っているわけですが、このうち「買う」については人それぞれの判断基準で行っています。
例えば、現在の株価と実際の価値に対して割安か、そうでないかであったり、将来の成長に期待して購入するなど様々です。
ただ、共通しているのは将来の株価上昇を「期待」して銘柄選択をしているはずです。
株価が下がると思っている銘柄に投資するわけがありませんからね。
ただ、あくまで「予想」なので、結果が的中するかは誰にもわかりません。
そして、経済や金融に精通したプロのファンドマネージャーであっても、予想が間違ってマイナスになることも多いので、この「予想」というのは、非常に難しいものです。
はっきり言って、「株式投資」はギャンブルの側面があると言っても良いかもしれませんね。
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では、予想なんてせずに適当に銘柄を選択して投資すれば良いのかというと、勿論そういうわけではありません。
猿が選択しても儲かるような上昇相場であれば、それでもかまいませんが、下落相場の場合自分が適当に選択した銘柄では、投資の根拠を自分が持っていないため、急激な下落によって自分自身が狼狽してしまい、最安値で売却してしまい結果として損失を抱えてしまいます。
日本では「株をやっている人の9割が結果的に損をする。」と言われる所以だと思います。自分なりの銘柄選択の根拠を持っていれば、狼狽売りのリスクを下げますので、必ず自分なりの銘柄分析方法は持っておいた方が良いです。
特に投資候補の企業の「成長性」はしっかり考えておいた方が良いと思います。
では、今後、どういったものの「成長」が期待されているかというと、例えばマイクロソフトやアップル、グーグルなどの「ハイテク銘柄」が挙げられます。
これは近い将来、人工知能などの次世代技術によって世の中がイノベーションされる「第四次産業革命」が勃興すると言われているからです。
他にも、これからの成長余地が大きいインドなどの「新興国」も「成長」が期待できますね。これらの国々は将来的にはGDPベースでの経済規模で一位を誇るアメリカをも上回ると言われていますからね。
「成長」という視点で、投資対象を絞るなら、「ハイテク企業」や「新興国」は、投資妙味は非常に高いと思います。
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ただ、単純に「成長」という視点だけで、企業の分析を行うと思ったようなパフォーマンスを得られない場合があることも注意しておくべきです。
ジェレミー・シーゲル教授の著書「株式投資の未来」によると、成長が大きく望める企業や新興国のリターンが、老舗企業のリターンを下回っている、と解説しています。
例えば、1950年台の世界では「IBM」が次世代技術の分野で将来有望とされていました。
一方、「エクソン・モービル(当時のスタンダード・オイル・ニュージャージー)」は石油最大手企業として世界経済に浸透していましたが、すでに飽和状態となっているため、その成長性は限られると考えられていました。
そして、当時の「IBM」と「エクソン・モービル」の「1株あたりの売上高」「1株当たり配当」「1株あたり利益」「セクター成長率」のデータを比較すると、いずれも「IBM」の方が優れています。
この結果を見ると、多くの人は「IBM」の方が成長性が優れていて、大きなリターンを得られるであろうと考えますよね。
しかし、結果を見ると「IBM」よりも「エクソン・モービル」の方が優れたパフォーマンスを出しています。
1950年から2003年までの間のそれぞれのパフォーマンスを比較すると、「エクソン・モービル」が、年間平均利回りが+14.42%、IBMは+13.83%となり、エクソン・モービルのリターンの方が大きかったのです。
年間利回りで換算すると「0.59%」しか変わりませんが、53年間という長期運用を行った場合だと大きな「差」が発生します。
エクソン・モービルに1000ドル投資していると126万ドルとなりますが、IBMに1000ドル投資していると、96万1000ドルとなりますので、その差の大きさがお分かりいただけるかと思います。
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ところで、売上・利益・成長性が大きかったIBMは、なぜエクソン・モービルのリターンに負けてしまったのでしょうか?
この結果のからくりは、簡単です。
上記の判断材料は、あくまで、「売上」や「利益」、「成長性」だけを見ていましたが、バリューエーションについては全く考慮していなかったからです。
例えば、簡易的なバリューエーションの指標である「株価収益率(PER)」や「配当利回り」を見てみると、
PER | 配当利回り | |
エクソン・モービル |
12.97 | 5.19% |
IBM | 26.76 | 2.18% |
となります。
明らかに、IBMの方が割高ですね。
これほど、バリューエーションに差異があれば、パフォーマンスにも差異が出て当然ですよね。
つまり、単純に成長率だけを見るのではなく、バリューエーションもしっかり見て、投資の判断しなければいけない、ということです。
現在は、マイクロソフトやアップル、アマゾンなどの次世代技術を保有し、将来の第四次産業革命の恩恵を受ける企業の株価が上昇していますが、今後はバリューエーションも意識して投資判断を行わなければいけませんね。
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