こんにちわ、リョウスケです。
ネット通販世界最大手企業である「Amazon(AMZN)」が、2018年度第2・四半期決算を発表しましたので、考察してみたいと思います。
結論から申し上げますと、今回の決算は良かったですけど、悪かったです(微妙な言い回し)。
今期の売上高は、528億8600万ドルとなり、前年度と比較すると、39%の増収となりましたが、アナリスト予想の534億ドルを下回りました。
純利益は、25億3400万ドルとなり、前年度と比較すると、1,186%の増益となりました。また、 1株利益は、5.07ドルとなり、アナリスト予想の2.53ドルを大きく上回っております。
そして、この日同じく発表した、2018年7月期~9月期の見通しは、営業利益がアナリスト予想13億に対して14億-24億ドル。売上高がアナリスト予想580億4000万ドルに対して、540億-575億ドルとしました。
営業利益は予想を上回っておりますが、売上高は予想を下回っていますね。
今回の決算でも、当然のように増収増益を実現しましたが、売り上げが、アナリスト予想に届きませんでした。アマゾンは、将来の成長を期待して株価が上昇しているので、予想に届かなかったことが、株価にどう反映するか見えにくいです。
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続いて、アマゾンの売上高をセグメント別に見てみたいと思います。
以下は、今回発表された決算データです。
決算データを見ますと、アマゾン全体の事業を「Online stores」「Physical stores」「Third-party seller services」「Subscription services 」「AWS」「Other」に分かれて記載されています。
「Online stores」は、ネット通販で得た収益です。
このセグメントの「売上」は、「27,165(271億6500万ドル)」となっており、前年度と比較すると「+12%」の増収となっています。
続いて「Physical stores」は、実店舗の収益です。これの大部分は、2017年に買収した「ホールフーズ」によるものでしょうね。
こちらの「売上」は、「4,312(43億1200万ドル)」となっています。
続いて「Third-party seller services」は、第三者販売サービス(第三者が販売するサービスに関する手数料売上など)による収益です。
こちらの「売上」は、「9,702(97億200万ドル)」となっており、前年度と比較すると「+36%」の増収となっています。
続いて「Subscription services 」は、「Amazonプライム」の会員費などが含まれています。
こちらの「売上」は、「3,408(34億800万ドル)」となっており、前年度と比較すると「55%」の増収となっています。
米国の有料プライム会員の年会費を第2・四半期に20%引き上げましたが、加入者数減少の兆しはほとんどみられなかったようですね。
さらに続いて「AWS」は、クラウドサービスの「Amazon Wev Service」の収益です。
こちらの「売上」は、「6,105(61億500万ドル)」となっており、前年度と比較すると「49%」の増収となっています。ちなみに、アナリスト予想の60億ドルを上回りました。
最後に「Other」は、広告収益やクレジットカード契約による収益です。
こちらの「売上」は、「2,194(21億9400万ドル)」となっており、前年度と比較すると「129%」の増収となっています。特に「広告収入」の伸びは非常に力強いようです。
全セグメントにおいて増収を実現していますね。
ちなみに、アマゾンのセグメント別売上をグラフにすると、以下のようになります。
「売上高」だけで見ると、「ネット通販事業」が売上全体の半分以上を占めています。
しかし、実は、この事業の利益率は、数%となっており、あまり儲けにはなっていません。
そこで注目して欲しいのが「AWS」です。
売上ベースで見ると、全体の「12%」程度に過ぎませんが、「AWS」の利益率は、今期26.89%という、非常に高い数値となっております。
そして、利益ベースで見ると、全体の55%をこの「AWS」を占めていることになります。
凄くないですか?
そのため、Amazonは価格度外視の施策を打つことができ、シェアを獲得することができるわけです。
Amazonの快進撃は、この「AWS」が支えていると言っても過言ではないでしょうね。
今回の決算も増収増益を実現し、好決算と言えるものだったのですが、アナリスト予想を下回っている点が気になります。
ただ、ネット通販をはじめとしたほぼ全ての事業で、増収していますし、クラウドの需要が高まって、「AWS」の存在感が凄いです。
私は、ITのエンジニアをしており、私の仕事上では、「AWS」以外にも、マイクロソフトの「Azure」や、国内企業の製品を提案する機会が増えているのですが、そもそもクラウドが予想を大幅に上回るスピードで活用されているってことですね。
おそらく、これからも、クラウドの市場は伸びていき、それとともに、Amazonも成長していくことになりそうです。
「ホールフーズ」買収もうまくいっているようですし、スマートスピーカーも順調に売上を伸ばしていますし、しばらくはAmazonを脅かす存在は、ほとんどないように思えます。
あるとすれば、国家による規制や法改正になりそうですね。このあたりが、今後、Amazonにどう影響を与えてくるのか、ウォッチしていく必要があります。
ただ、それでも、数年以内に、Amazonが沈んでいくのを、想像することはできません。これからも、様々な業種をイノベーションし、大きく成長していくことを予感させられます。
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